村上春樹 イエローページ〈2〉 (幻冬舎文庫) 価格: 520円 レビュー評価:5.0 レビュー数:2 イエローページ1と同様この本も村上春樹の小説の解釈を行っている.個人的に一番面白かったのはノルウェイの森についての箇所.
ノルウェイの森は素晴しい小説だと思う.村上春樹というよりは今まで呼んだ作品の中でもトップクラスの衝撃を与えてくれた.だが「この小説の何処が良い」と聞かれた時に上手く答えることは出来なかった.感じたことをそのまま言葉に出来ないことを幾度も歯がゆく思ったものだ.
それをこの本はさらっと代弁してくれた.ノルウェイの森が与えてくれた感動の源泉,それをたったの数行で・・・それだけでもこの本は読む価値があった. |
ノルウェイの森〈下〉 価格: 1,365円 レビュー評価:4.0 レビュー数:39 この作品には、心療病棟、自殺、失踪とういくらでも暗く深刻にすることができる要素があふれているのだが、読後は重々しさがなく、喪失の切なさのみが残った。結局、主人公の周りの自殺していった人々、その死に直面した時の苦しみも、振り返れば「過去」でしかない、そして過去の記憶は望もうと望まないと誰もが喪失していくということだと思う。 青春のはかなさや切なさを描いた傑作である。 また、派手な仕掛けはないのに、この作品の舞台の1970年前後の熱さとけだるさが混沌としている雰囲気を読者に感じさせることに、村上氏の技巧の高さがある。 |
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村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫) 価格: 460円 レビュー評価:4.5 レビュー数:27 本書の共著者である村上春樹と河合隼雄、このお二人に共通するものは「魂」だと思います。「魂」とは「わけのわからないもの」(河合)のことだそうですが、「井戸を掘る」「壁抜け」など村上春樹が描き出す物語世界を支える豊穣な世界観が、お二人の魅力的な対話から浮かび上がってきます。
本書を読み終わって、難解だった村上春樹の物語世界に少し近づけたような気がします。 |
齋藤孝のイッキによめる!名作選(2年生) 価格: 1,000円 レビュー評価: 5.0 レビュー数:2 内容がおもしろい物を選んでくれているので読み出したら 本当に止まらないようです。2年生の娘にと思ったら、5年生の 娘が『おもしろいよ!これ。』と愛読しています。 親の私は久しぶりに星新一さんの作品を読みました。懐かしい 思いがします。村上春樹さんまであります。すごい!これを2年生が 読むのかしら?と思ったら読んでいました。本の内容が色々な取っ掛かりを 作ってくれるので、これから色んな作者さんの本に興味が飛んでくれたらと 思います。 少し下の学年の本が読みやすいかも知れません。私は1年生も買おうと 思っています。5年生の娘は早く自分の学年の本が |
東京奇譚集 (新潮文庫) 価格: 420円 レビュー評価:4.0 レビュー数:29 確かに春樹ワールドである。しかし例えば小説を読みなれていない人が
村上春樹の小説を読んでみようと思って手を出すのであればお勧めしない。
春樹ファンであればある程度は理解できるかもしれないが、そうでないと
特に高校生などで読書慣れしていない人で、時間潰しに短編集を買おうと
しているのであれば、別の作家の読みやすい短編集を買ったほうが無難だろう。
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ノルウェイの森〈上〉 価格: 1,365円 レビュー評価:4.5 レビュー数:128 昔売れていた頃、まだ小説なんてそんなに読んだことも無かった頃に買ったノルウェイの森。
でも結局上巻の途中で挫折してしまった。
大学生でも無ければ恋の1つもしたことのなかった僕には何一つリアルに響いてこなかったからだと思う。
あれから十何年が過ぎて、自分でも考えていなかったような人生を送り、恋をし、
来月、6年間同棲した彼女と別れることになった。
それは僕にとってどこまでも果てしない喪失感であり、僕は何かに取り付かれるように映画や音楽、
とにかく感傷に浸れるものを探していた。
雑貨屋で積まれていたノルウェイの森 |
海辺のカフカ〈上〉 価格: 1,680円 レビュー評価:4.0 レビュー数:147 2冊読んで、自分の我慢強さを感じました。
読んでいて面白くないですし、読み終わってみて何がいいのかさっぱりわかりません。
作者は何を伝えたいのでしょう?
私には適当にダラダラ書いてるだけにおもえますが、違うでしょうか?
海外で高い評価というのは訳者がなにかしたのでは?と疑ってしまいます。
日本語のオリジナルによい評価をつけている書評も読みましたが、私には理解できません。
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拳闘士の休息 (河出文庫 シ 7-1) 価格: 945円 レビュー評価:4.5 レビュー数:2 初めて読む作家の短編集。たまたま手にとってちょこっと読んだら止まらなくなってしまった。
ベトナム戦争従軍の経験はないらしいが、ベトナム戦争を題材にした表題作はそのすさまじい戦場の描写がスゴい。
ボクシングとセックスとてんかん、死といったテーマを描いた暴力的な小説だが、ニーチェやショーペンハウエルといった哲学者の言葉も散りばめられていたりする不思議に知性を感じさせる小説だ。
ほかの作品も読んでみたいが、まとまった翻訳はこれ一冊のようだ。
とりあえず、私の中では今年度ベストの翻訳短編集。 |
クリスマスの思い出 価格: 1,650円 レビュー評価:4.5 レビュー数:17 <十一月も終わりに近い朝を思い浮かべてほしい。今から二十年以上昔の、冬の到来を告げる朝のことだ。>という文章にはじまる短篇小説。クリスマスを前にしたこの時期、この作品を読んでよかったなあと。心に降り積もる話の味わい、話のあたたかさ。心に静かに染みる、素敵な作品でしたねぇ。
僕ことバディーが七つだった時の、六十を越える遠縁のいとこと過ごしたクリスマスの思い出。無二の親友である彼女と四日間かけて、三十一個のフルーツケーキを作り、ふたりにとってかけがえのない友人たちに宛てて送ったこと。彼女と冬の森に行き、クリスマス・ツリーを切り倒し、引きずってきて、飾りつけをしたこと |
物語論で読む村上春樹と宮崎駿 ――構造しかない日本 (角川oneテーマ21) 価格: 740円 レビュー評価:4.0 レビュー数:8 本書を読むと物語作りの裏側を知ってしまい、折角面白く読んでいた本がつまらないもの思えてしまうのではないかと心配になる方は、少なからずいらっしゃると思います。その意味で本書はパンドラの箱とも言えるものでしょう。小説の基本構造を知ることは、物語を作る設計図によって物語づくりを一般化する役目と、読み手のレベルを上げる役割があります。特に後者につきましては、ただ設計図をなぞった駄作を選別するのに役立ちます。読者の目が厳しくなればそれだけ供給側もレベルアップせざるを得ず、無駄な出版物が減るというものです。
しかしながら本書を読むにあったっては、それなりの読書量と清濁併せ呑 |
ランゲルハンス島の午後 (新潮文庫) 価格: 620円 レビュー評価:4.5 レビュー数:8 1984-86年(村上氏35-37歳)に雑誌「クラッシィ」に掲載された25のエッセイ。
特に気付きを与えてくれるというのでもなく、村上春樹的なユニークな視点で捉えた事象が淡々とまったり&ゆるりとしたかわいらしい安西水丸さんの絵の伴奏付きで描かれてます。
「ゆるい時間を過ごしたいなぁ」なんて時にはお薦めできると思います。でも、自分がこの先果していつ読み返す時が来るのか、、、 |